リアル猫の恩返し


「ら、らいらい?」

すいませんと謝り続ける俺に先輩はすっごい困った顔をした。

で、松崎先輩と顔を見合わせて苦笑した。

「いいんだって、俺だってらいらいのおかげで目ぇさめたしさ。」

「へ?」

「こいつ、俺が神埼はやめとけって言ったのにきかなくてさ。んで、今日のこと全部話したら、やっと目ぇさめたらしくて...」

「えっ、じゃっ、じゃぁ、恨んでないんですか?俺のこと。」

「恨むわけないじゃん?しかも、俺のちょー可愛い後輩なのに。もし神崎があんなのじゃなくてもらいらいならうらまないって!」

「先輩...」

「しつれーしまぁーす!」

感動のシーンのはずなのに、その一言でいっきに冷めた。



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