リアル猫の恩返し


俺が今日嫌いになったやつの声が、男バスの部室に響き渡る。

「う゛う゛ん゛!」

優汰先輩がわざとらしく咳払いをする。

すると、何が起こったのか分かってないような顔をしていたほかの部員までもが同じことをやり始めた。

「らいらぁ~い!あいたかったよ~ぉ」

とか言いながら近づいて来て、抱きつこうとするからよけた。

「らいらぁぃ!!!いいじゃん!抱きつくぐらい!もう何時間もあってなかったんだからぁ!!!!!」

「つーか、お前誰?」

「も~ぉ、らいらい何言ってるの?らいらいのカノジョの、梨奈だよ~ぉ!あ、もしかして、昼休みとか会いに来なかったから怒っちゃったぁ?ごめんねぇ~?先生に呼び出されちゃったんだぁ~。ね~らいらい、だからそんなに怒らないでよ~」



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