リアル猫の恩返し
「おぃ、チビ助、おびえてんじゃねーぞ。速くこっち来い!」
いくら呼びかけても一向に近づこうとしない。
「おいチビ...」
助、と言おうとしたときだった。
子猫は足を滑らせて、落ちた。
が、そのまま落とすようなへまをする俺ではない。
左手で木の枝にしがみつき、右手で落ちる子猫を捕まえる。
「やっと捕まえた。」
胸に抱き寄せ、固定する。
ロシアンブルーだ。
意外と毛並みが良かった。
「おぃ、チビ助、暴れんじゃねーぞ?」