私と彼の1年間

廊下にいた看護士さんが、花瓶の割れる音を聞いて駆けつけてきた。

勢いよくドアが開かれ、

「庄野さん?どうかしました?」

と聞き、

「あ!花瓶!!落ちたんですね~・・
 橘さん、来ていらっしゃったんですね。橘さんも拾うの手伝ってもらえますか・・?」

と言って、花瓶を拾い始めた。


声をかけられた私は


今にも泣きそうな彼を


見つめるしかなかった。



彼もようやく理解した。


自分の体が


病のせいで


思うように動かなくなっているということを。





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