私と彼の1年間

分かっていたけど、腫瘍は広がっていたのだろう。


・・・早い。

そう、早い。

普通はもっと後なのに・・・。

どんどん悪くなってるんだ。


祐もその気持ちがあったのだろう。

だからこそショックが大きい・・・。

なのにあたしは・・!!!



そう思うと、どんどん涙があふれてきた。

膝に力が入らなくなって

そのまま崩れ落ちた。

近くにいた看護士さんや、患者さんたちがどうしたの?とか、大丈夫?と、声をかけてきたけど・・・他人事のように聞こえた。


倒れそうだった。


意識が飛びそうだった。


どうすればいいか、分かんなかった。


つらかった。


もう、祐と会えなくなるんじゃないかと思うと。


悲しかった。


祐の病気が悪化していることが。


そのスピードが速いことが。


その場でうずくまった。


唸(うな)りにも似た声を出して泣いた。
















どうすればいい?
あたしは、何をすればいい?
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