私と彼の1年間
看護士さんと中庭に行く途中も、泣きたくてしょうがなかった。
もう、泣きたくて・・・泣きたくて。
中庭に着く少し前。
看護士さんに手をとられて歩いていたら後ろから
「彩!!!」
私の大好きな、大好きな透き通った優しい声が聞こえた。
それが誰の声なんて、考えなくても分かった。
・・・祐。
私は、おそるおそる後ろを見た。
看護士さんはすでに後ろを見ていた。
私が口を開きかけたとき、看護士さんが
「庄野さん!!病室から出たらいけませんよ!!」
と、祐に注意した。
でも祐は、そんなの気にしてなかった。
私を・・・私だけを見つめていた。
「・・ゆ・・ぅ・・・・・・。」
「彩!!ゴメン!!ちゃんともう一回話そう!!!
だから・・・俺から離れんな!!
・・・・おまえは・・俺のそばに居てほしいんだよ!!」