私と彼の1年間
最初で最後のデート
予想通り、人はあまりいなかった。
あまり・・・いや、あたしと祐だけなんじゃないだろうか。
「彩、彩は何の花が一番好き?」
「んーっとね・・・バラかな?
あ、とげがないやつね。」
「バラってとげがないやつもあんの?」
「うん。あるある。ここにもあると思うよ。さがそっか?」
「おぉ。」
それからゆっくりと植物を観察して行った。
途中、「バラ広場」というのがあり、世界中のバラや、品種改良されたバラなどたくさんのバラを見ることができた。
あたし達が探していた、「とげ無しバラ」も何種類かあった。
もうすぐで回り終わりそうな所で、プレゼントコーナーというのがあった。
丁度いいと思った。
祐に何かプレゼントしてあげよう。
「祐、祐は何の花が好きなの?」
「俺?俺は・・・スズランかな。」
「へー!!意外ーーー!!!」
「意外言うな。」
スズランかぁ・・・。あるよね?
「祐!ごめん、さっきのトコに携帯置いてきちゃったかも!!とってくるから先出てて!!」
適当にごまかして、プレゼントコーナーへ走った。