私と彼の1年間

出口を出るとすぐに祐を見つけた。

祐もあたしを見つけた。

スズランを持って涙目のあたしを見て祐は、

「え!?どうしたわけ、彩。」

「祐・・・これを・・・・スズランを祐に贈るね。」

「おぉ・・・サンキュ!!
 で、なんで泣いてんの彩。」

「祐はスズランの花言葉知ってる?」

「いや・・・花言葉ってのが何かは知ってるけど・・・・スズランの花言葉はしらねぇな。」

「何だと思う?」

「さぁ?」

あたしは祐をじっと見つめて

「幸福の再来、だよ・・・。」



「幸福の再来・・・・・。」



「祐・・・幸福が再来するように・・・病気が治るように・・・・・・っ!!・・・・祈ろうね・・・っ・・・・・・・!!!!」

耐えられなかった。

泣いてしまった。

祐も涙目だった。


だって・・・


だって・・・



< 40 / 53 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop