また、明日。


なんだったんだろう…。


私は赤い頬を抑え、授業に集中するふりをしながら、さっきの出来事を思い出す。


――穂香

そう囁いた掠れ気味の声を思い出す。


再び心臓が速まるのを感じた。


横山くんに名前を呼ばれたのは初めてだった。

今までは、名字で『佐々木さん』。

だって、ただのクラスメートだから、私達は。


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