また、明日。



しかし、身体も小さく、女の子のようなリクは、逆に相手の子からボコボコにされてしまう。


それを見た私から悔し涙なんてものは消え失せ、リクが死んじゃうのではないか、という恐怖で大泣きしたのを覚えている。


やがて、いくらボコボコにしても立ち上がるリクの根気強さに相手は折れたのか立ち去っていった。



すると、リクは満面な笑みでこう言った。



『ぼく…、やっつけたよ。ほのちゃんのこと、守れたよ』


 うん、そうだね。

 リクは私を守ってくれたよ。


『ほのちゃん…、ぼくね


 ほのちゃんがだいすき』

そう真っ白な顔に位置する小さな鼻から、鮮やかな赤を垂らしながら、笑った。

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