ふたつの背中を抱きしめた


日曜日の今日は学校がお休みの子供達が昼間でもいる。

とは言っても今預かっているのは2人だけなので手も掛からないのだが。


小学1年生のマルちゃんと2年生のリンくん。

低学年の2人は元気いっぱいで園庭を駆け回っている。

「良かった、マルちゃん昨日は初めてここへ来て元気無かったけど今日は大丈夫みたいだね。」

私は柊くんと2人、日陰に立って園庭で遊ぶ子供達を見ていた。

「暑いのにあいつらよく外で遊べるよな。」

「そうだね、今日もだいぶ暑い。熱中症にならないように気を付けて見てないとね。」

7月の日差しは午前中だというのに容赦なく照りつける。

「あいつら汗だくじゃん、水遊びさせてやろうぜ。」

そう言った柊くんに私はいつだったかのホースで水遊びをして矢口さんに怒られた事を思い出した。

「物置にビニールプールあったはず。チビ2人なら丁度いいだろ。俺、園長に許可とって来るからちょっと待ってて。」

柊くんはそう言うとさっさと園内へ戻っていってしまった。

そして、ややすると

「いいってさ。」

と言いながら物置の鍵をくるくると指で回しながら戻ってきた。

「俺、物置行ってくるからチビ達の支度しといて。」

その手際の良さに、私はただただ驚かされる。

怒られないやり方、出来るんじゃない。

私は子供達を濡れてもいい格好に着替えさせながら考えていた。

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