ふたつの背中を抱きしめた
子供達の寝室でマルちゃんとケイくんに挟まれながら2人に何冊かの児童書を読み聞かせた。
しばらくすると、マルちゃんが私の腕にしがみつきながら舟を漕ぎだす。
少し遅れてケイくんも欠伸をしたので、寝付くまでポン、ポン、と胸を叩いてあげた。
2人の寝息が規則的になるのを聞き届けて、私は枕元の電気を消し自分も仰向けになって目を閉じた。
柊くん、起こしに来るかな。写メられたらイヤだな。柊くんなら本当にやりかねない。
私は柊くんの悪戯を心配した。
なんとしても柊くんが来る前に起きよう。
それに、
せっかく柊くんが一緒に居られる時間を作ってくれたんだもの。
少し早く起きておしゃべりでもしよう。
コーヒーでも入れて一緒に飲もうかな。
私だって、柊くんと一緒の時間は嬉しいんだから…
考えているうちに、私は睡魔の誘惑に負け深い眠りに就いた。
---私は分かっていなかったんだ。
柊くんがどれほどの想いで私との夜勤に臨んだのか。
たった3日の会えない時間が、どれほど柊くんの胸を焦がしていたのか。
だから、うっかり深い眠りに就いた私は気付かなかったの。
私が寝ている間に、柊くんがあんな事をしたコトに-----