ふたつの背中を抱きしめた
熱にうなされながら
私は深い夢の中で誰かに謝っていた。
ごめんなさい
ごめんなさい
ごめんなさい
何度も
何度も。
誰に?
何を?
柊くんとの約束を守れなかったコトを?
裏切っている綜司さんに優しくしてもらってるコトを?
...両方かも知れない。
夢から目覚めた時、私は全身汗だくで
窓の外はすっかり暗くなっていた。
…今、何時!?
慌てて身体を起こしたところで、部屋のドアが開き綜司さんが入って来た。
「目が覚めた?よく寝てたね。」
「えっ…綜司さん?」
綜司さんが帰ってる?いったい今何時なんだろう。
焦って時計を探す私の隣に腰掛け、綜司さんは私の額に手を当てた。
「うん、薬が効いたかな。熱、だいぶ下がってる。」
「綜司さん、今何時?」
そう聞いた私に、綜司さんは枕元に置いてあったタオルで私の汗をぬぐいながら答えた。
「19時過ぎたところだよ。僕は17時頃帰って来たんだけど、真陽あれからずっと寝てたみたいだね。」
……19時…!
「ずいぶん汗掻いたね。今、着替え取ってくるよ。」
そう言って綜司さんが部屋から出ていくやいなや、私は携帯電話をすぐさま開いた。
そこには
柊くんからのメールが1件だけ着信されていたコトが表示されていた。