ふたつの背中を抱きしめた
『分かった。お大事に。』
柊くんのメールは その一言だけだった。
…怒っているのだろうか。
あれだけ楽しみにしていたのだから怒って当たり前だ。
きっと、すごくガッカリしただろうな。
あぁ、
ごめん
ごめん、柊くん。
目を閉じると瞼の裏に柊くんの悲しそうな顔が浮かぶ。
こんな顔、させたくないのに。
本当にごめん、柊くん。
せめて今すぐにでも電話で謝りたい。
そう思った私の元に、綜司さんが着替えとタオルを持って部屋のドアをガチャリと開けた。
「着替えたら食事にしよう。スープ出来てるよ。」
そう言った綜司さんに、私は
「ありがとう。」
と言って、力無く微笑んだ。