ふたつの背中を抱きしめた


「…傍に居たかった。寝込んでる真陽の手をずっと握っててやりたかった。大丈夫だよって、ずっと頭撫でてやりたかった。

ねぇ、真陽…どうして俺にはそれが出来ないのかな…?

こんなに大切なのに、どうして俺は真陽を支えてあげるコトが出来ないのかな…」


悲しそうにそう言う柊くんに、私はどう答えていいか分からなかった。


そして



「…俺が…恋人じゃないからかな…」



かぼそく言ったその一言に、

私は口を抑えて嗚咽を堪えた。


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