ふたつの背中を抱きしめた
狡さを重ねて来た私が『選択』だなんておこがましいと思う。
本来なら両方の手を離すべきかも知れない。
けれど
私が居ることで救われる存在が在るのなら、私は傍に居続けようと思う。
必要とされなくなる日まで。
そして私はまたひとつ狡さを重ねる。
---比べる。
綜司さんと柊くんを。
人を人が比べるなんて、おこがましさにも程があると自分でも思う。
けれど、どちらが大事かなんてもう私には選べない。
ならば、比べるしかないのだ。
どちらが私を必要としているかを。
そしてその答えは
もう明確に出ていた。