ふたつの背中を抱きしめた
胃の洗浄が終わり、個室のベッドで眠る綜司さんを見つめていると外からバタバタと駆け付ける足音が聞こえた。
そして義母様がノックも無しに部屋へと飛び込んできた。
「綜司!綜司!!」
叫ぶ義母様に続いて義父様も入ってきた。
青白い顔で眠る綜司さんに取りすがって 泣き崩れる義母様の肩を抱いて、義父様も嘆くように片手で顔を覆った。
「…も、申し訳ございません!私のせいです!」
大声で言い頭を下げると、義母様が初めて部屋にいた私に気が付いて振り向いた。
「…真陽ちゃん…」
グシャグシャの泣き顔で呆けたように私を目に捉えると、義母様は立ち上がってフラフラと此方へ歩み寄った。
そして私の肩を掴むと
「どうして…?どうして真陽ちゃんが居たのに、居てくれたのに、綜司はまたこんな事になったの?やっと、やっと幸せになれたんじなかったの!?」
涙で濡れた瞳で私に訴えた。
「やめなさい、真陽ちゃんのせいじゃないだろう。」
肩を掴み強く私の体を揺らす義母様の手を、義父様が制止した。
2人の辛辣な顔に胸を締め付けられながら、私は義母が放った言葉に驚きを隠せなかった。