ふたつの背中を抱きしめた
「今の真陽見てたらイヤでも分かる筈でしょ。こんなに窶れて過呼吸起こして、普通じゃないよ。好きな女の子をここまでボロボロにしてまで受け入れて欲しいなんて甘え過ぎだよ。」
「でも…受け入れるのを決めたのは自分だから…」
「真陽、あんた2人の母親にでもなったつもり!?そんなのもう恋愛じゃないよ!」
彩ちゃんは、本気で怒っていた。
「幸せだって…世界一幸せだって、真陽、電話でそう言ってたじゃない。それがなんでこんなコトになってるのよ…。」
彩ちゃんは
大学に入ってからずっと友達で
東京に来てから1番の友達で
お姉ちゃんみたいに頼りがいがあって、いつも私の心配をしてくれて
そして
私の結婚を1番喜んでくれた友達だった。
私の幸せを誰より喜んでくれた友達だった。
私は
どうしてそんな大事な友達を泣かせてるんだろう。
「真陽…間違ってる…。そんなの幸せでもなければ、恋でも愛でもないよ…。」
私の幸せを願ってくれていた彩ちゃんの言ったヒトコトは
とてもとても重く
私の胸に響いた。