ふたつの背中を抱きしめた
3.堕ちた先の答え
11月の高い空を見上げながら
私はぼんやりと考えていた。
私は綜司と柊のなんなんだろうと。
彩ちゃんに叱られてから、ずっとその想いが胸に渦巻いていた。
女として、彼らを愛し
女として、彼らに愛されてると
そう思っていた。
けれど。
私を抱きしめ私を求める手は、本当は何を求めてるんだろう。
そして私は、いったい何で在りたいんだろう。
見上げた青空はどこまでも高く澄んでいて
その汚れのない蒼に
私の胸は悲しく締め付けられるばかりだった。