ふたつの背中を抱きしめた
「なんで、なんで怒るの?俺、なんか悪いコト言った?」
本気で分からないと云った表情で柊が私に問う。
「…私…お陽様なんかじゃない…ただの…ただの女なの…」
さめざめと泣き出してしまった私の肩を、柊が戸惑いながら抱いた。
「よく分かんない…真陽も自分の名前キライなのか?」
私はぽろぽろと涙を落としながら首を横に振った。
違う。キライじゃない。
お祖母ちゃんが付けてくれた名前。
ずっと誇りに思ってた。
お陽様みたいに温もりを与えられる女の子になりたいって、ずっと思ってた。
なのに。
柊がそう言ってくれたのに。
私はただただ悲しいだけだった。