ふたつの背中を抱きしめた
お陽様は、皆を平等に温める。
誰のものにもならない。
例えどんなに焦がれられたとしても。
私はそれを、知っている。
だから、こんなにも哀しい。
半年前まで
私はただの女の子だった。
綜司に恋をして胸をときめかせ
幸せな結婚を夢見る、ただの女だった。
それが今
こうして2人の男に焦がれられ求められ
それに応えるために刹那のぬくもりを与えるだけの存在になった。
柊に言われて分かった気がする。
私達が今誰も救われない理由が。
彩ちゃんの言う通りだ。
もうきっと愛じゃない。恋じゃない。
傲っていた。
ただの女なのに。
2人を守りたいなんて。
お陽様になんか、なれるはずが無いのに。