ふたつの背中を抱きしめた
私はわぁわぁと泣いた。
子供みたいに声を上げて。
「私はっ…そんなんじゃない…!
ただ…柊と…寝てみたかったただの馬鹿な女だもん…!」
戻りたい。
ただの女に。
甘い恋に胸をときめかせていたただの女に。
「なっ…!?どうしちゃったんだよ、真陽!?」
大泣きする私に柊がオロオロと戸惑う。
「泣くなよ!そんなコト言うなよ!どうしちゃったんだよ!」
求めないで、温もりを。
だって私はお陽様じゃない。
そんな立派じゃない。
永遠に誰のものにもなれない孤高な存在になんてなれない。
そして気付かされる。
柊が、綜司が
私をお陽様だと言うのなら
そこに求めてるのはきっと母性。
慈愛なんだと言うことに。
そして愚かにもそれに応えようとしていた傲満さにも。
罪に堕ちて尚、2人を抱きしめ続けた私と
その傲った愛に甘えしがみついた男達と
罪深いのはどちらなの。