ふたつの背中を抱きしめた
綜司の
その言葉を聞きながら
私は思い出していた。
4年前の春に
私に初めて好きだと告げてきた綜司の顔を。
夕焼けに染まった部屋で嬉そうにはにかんだ彼の顔を。
ああ。
私、やっぱりこの人が好きだ。
弱い自分と向き合おうとしてもがき続けてるこの人が
とても、愛しい。
「…待ってる。綜司が強くなるのを。
その日までずっと、傍で見続けてるから。」
今度こそ
2人で等身大の恋が出来るように。
「…ありがとう、真陽。」
綜司の大きな手が私を抱き寄せ
優しく、優しく、髪を撫でた。
ーーーーーー愛してる。
何百回目かの
愛の呟きと共に。