ふたつの背中を抱きしめた



「そうだけど、キミは?」


浅葉綜司と呼ばれた男は、穏やかにそう答えた。


黒髪の青年は


「柏原柊と言います。櫻井…浅葉真陽さんに5年前、とてもお世話になった者です。」


そう言って、姿勢正しく頭を下げた。



その様子を見て、綜司は薄く微笑むと

柏原柊と名乗った青年を中に招き入れた。




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