ふたつの背中を抱きしめた
柊は、しばらく嬉しそうに真陽の顔を眺めた。
遠くから、近くから、右から、左から。
顔を綻ばせながらマジマジと愛しげな瞳で彼女を飽きること無く眺めた。
思わず感想が口から零れた。
「全然変わってないなぁ。5年前と全然変わってない。相変わらずのち…」
そこまで言いかけて、柊は慌てて口をつぐむ。
そっと振り返ると、綜司がクスクスと笑いながらこちらを見ていた。
「ちんちくりんって言うと真陽、怒るよ。気にしてるから。」
その言葉に柊も苦笑いをして
「そうですね、すみません。」
と頭を掻いた。