ふたつの背中を抱きしめた
病室の近くの休憩所でコーヒーを飲んでる綜司の元へ、柊がやって来た。
「すみません、ありがとうございました。」
「済んだの?」
「はい。」
「で、真陽はなんだって?」
柊の方を見ず尋ねた綜司に、柊は小さく舌打ちをする。
「…やっぱあんたムカつくな。余裕綽々かよ。」
苦虫を潰したような顔の柊を横目で見て綜司はクツクツと口許を押さえて笑った。
「その様子じゃフラれたみたいだね。」
たちまち拗ねた少年の顔になって柊は反論する。
「フラれてねーよ!…ちょっと保留だよ。」
そしてバツが悪そうに口の中でモゴモゴと
「…だって寝てるから強引に受け入れさせらんないじゃん…」
と呟いた。