ふたつの背中を抱きしめた
「ハーブティーだよ。家で淹れてきたの。」
真陽は親切にそう答えてくれた。
ハーブティー。
聞いた事ぐらいはあったけど、こういう匂いだったんだ。
そう思って俺がしげしげと眺めていると
「あ、匂いイヤだった?ゴメンね!」
と彼女は慌てた風に言った。
「別に 、イヤじゃない。」
やっぱりぶっきらぼうにしか返せない俺に、真陽は嬉しそうに微笑んで
「良かった、ハーブティーの香りって苦手な人もいるからさ。」
そう言ってから再びカップに口を付けた。