ふたつの背中を抱きしめた
「もー!興味ない!行くよ、綜司さん!」
私は立ち止まったままの綜司さんの腕をぐいぐい引っ張った。
--興味がないワケじゃない。
有名ブランドの最新作でデザインだってスゴく可愛い。
こんなの持って歩けたら素敵だなぁって思う。
でも。
うっかりそんなコトを口走ろうものなら大変な事になる。
「真陽にプレゼントしてあげたかったのになぁ。」
ほら、ね。
私に腕を引っ張られて歩きながらも綜司さんは名残惜しそうにショーウィンドウのバッグを見ていた。