ふたつの背中を抱きしめた
そうして私達は長い月日を離ればなれで過ごす事になった。
最初は頻繁にやりとりしていた手紙も次第に減っていき
それでも年に一度の年賀状だけは絶える事が無く、かぼそい繋がりを保っていた。
子供の頃はシールやカラーペンで飾っていただけの年賀状も
歳が上がるに連れて丁寧な字で近況報告を添えるものになっていった。
「中学生になりました。
部活を頑張っています。」
「もうすぐ高校入試です。」
「こちらは雪がよく降ります。
雪掻きが大変です。」
そんな他愛もない報告に
返信が来たのは私が高校3年生の時。
「そちらの大学に推薦合格しました。春からは上京して一人暮らしです。」
そう書いた私の年賀状に、綜司さんは「寒中見舞い」と銘打って一通の手紙をくれた。
「真陽がこちらに戻って来ると知ってとても嬉しいです。
一人暮らしと云う事で色々準備も大変でしょう、良かったら幼馴染みのよしみで手伝わせて下さい。
連絡待ってます。
また昔のように交流出来る事を願って。
浅葉綜司」
青い便箋に繊細な文字でそう書かれた手紙には
綜司さんの携帯番号とメールアドレスが記されていた。