お姫様のオオカミ
「あ、でも黒髪の玲央も素敵でしたよ。入学当時くらいの写真で見ただけですけど」

「あれか…懐かしいな」

「最初会ったときはすごくびっくりしました。写真と違うって。一瞬人間違いかもしれないと思いましたもん」

「そんなに違うか?」

「髪色だけで一瞬わからなくなったりするもんなんですね」

「だなっ…てことで、美容院行くか」

「はい…え!?」

なんでそこで美容院!?

「髪、勝手に戻したろ」

「あ…」

それはその…あの、ねぇ…

「嫌だった?」

「そっそんなことないです!!」

即答した。
嫌だったわけじゃない。
諦めるには戻すしかないと思っただけで…

「そっか。…じゃあ行こう」

「え、あ…そっそれとこれとは…」

「一緒だから。あ、でも行くのは今度でいいや」

「…?」

首をかしげていると、

「どうせなら、デートとして行きたいから」

「…っ」

一気に体温が上昇。
そしてドキドキが加速する。
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