お姫様のオオカミ
「しょうがねぇな」

そう言って立ち上がった。
私もつられて立ち上がる。

その時、私の唇に何かが触れた。
目の前には玲央の顔。
これは…キスだ。

理解したころには離れていた。
一気に心臓がうるさくなる。
思考停止してしまう。

「充電できたし、授業出てやるよ」

「…っ」

今、私は赤面しているだろう。
頬がすごく熱いからわかる。

「まだしてほしいの?お望みなら致しますよ?お姫様」

「…ちっ違います!!ドキドキさせすぎないでくださいっ。心臓が持ちません!」

これ以上何かされたら私の心臓は止まってしまうんじゃないかっていうくらいドキドキしていた。

「心臓止まったら、人工呼吸だな」

「れっ玲央!」

「ごめんごめん。じゃあ行くか」

そう言って差し出された手。
私の手を受け取り、優しく繋がれた。

このまま時間が止まってしまえばいいのに…
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