幸せの刻(とき)
「婆さんワシャ埋めたのを思い出した。
この前、ひ孫がタイムマシンの宝物にしようと
アイツの宝物と一緒に埋めたんじゃ…すっかり忘れとったが、このワンワンが教えてくれた。
凄いなお前さん。ここ掘れワンワンじゃないか」
ここ掘れワンワン…昔話の花咲ジジイに出て来る宝を掘り当てる犬。
まさかな…偶然だろう
ピースが宝捜しが出来るなんて…。
そう思いながらも、偶然か必然的なのか、その日から私とピースの宝探し生活が始まった。
馬鹿な奴だと思われるかも知れない。
自分でもそう思う。
ただ、私は自分の不安を宝探しと言う事柄に置きかえて居るのだ。
妻が倒れるまで、私は思いもよらなかった。
永遠に続くであろうと思われていたこの平凡な日常や幸せな生活が、当たり前ではなく、一瞬にして変化するかけがえのない日常だと言う事を…。
宝探しを初めて数日
ピースは面白いように
何かを探し出す。
それは、お金とか宝石とかそんな物ではなかった。
人それぞれの思い出が詰まった宝物だった。
ある少女は、両親の離婚で離れ離れになった母親に貰った髪ゴム。
可愛い苺が付いた髪ゴムをピースは見つけた。
受験生の少年は、野球選手を目指していた頃の汗が滲んだグローブ。
若い女が投げ捨てた指輪や、夢あきらめた男のギター。
そんなそれぞれの宝物を見つけ出すピース。
私はピースと宝探しを初めて、様々な幸せや宝を目の当たりにした…それはお金で手に入れる事が出来ないモノ。
ピースを通して、何か大きな力に私は人生の節目に学ばせて貰っている気がする。
年老いる前の私に、何かを伝えている気がするのだ。老後とは、上り坂ではない人生上を見上げやる気があれば多少、楽に登る者やつまずきなかなか登れない者もあるだろうが、少しずつでも登る事は出来る。
しかし年老いると登り坂はない。
下る事しか出来ないのだ。やる気だけでは老いには逆らえない。
否応なく、誰にでも訪れる平等な死…。
死に年齢は、関係ない。確かにそうだ、だか、若い頃には感じない死の翼が、年老いてくると
近くに感じてくるのだ。
この前、ひ孫がタイムマシンの宝物にしようと
アイツの宝物と一緒に埋めたんじゃ…すっかり忘れとったが、このワンワンが教えてくれた。
凄いなお前さん。ここ掘れワンワンじゃないか」
ここ掘れワンワン…昔話の花咲ジジイに出て来る宝を掘り当てる犬。
まさかな…偶然だろう
ピースが宝捜しが出来るなんて…。
そう思いながらも、偶然か必然的なのか、その日から私とピースの宝探し生活が始まった。
馬鹿な奴だと思われるかも知れない。
自分でもそう思う。
ただ、私は自分の不安を宝探しと言う事柄に置きかえて居るのだ。
妻が倒れるまで、私は思いもよらなかった。
永遠に続くであろうと思われていたこの平凡な日常や幸せな生活が、当たり前ではなく、一瞬にして変化するかけがえのない日常だと言う事を…。
宝探しを初めて数日
ピースは面白いように
何かを探し出す。
それは、お金とか宝石とかそんな物ではなかった。
人それぞれの思い出が詰まった宝物だった。
ある少女は、両親の離婚で離れ離れになった母親に貰った髪ゴム。
可愛い苺が付いた髪ゴムをピースは見つけた。
受験生の少年は、野球選手を目指していた頃の汗が滲んだグローブ。
若い女が投げ捨てた指輪や、夢あきらめた男のギター。
そんなそれぞれの宝物を見つけ出すピース。
私はピースと宝探しを初めて、様々な幸せや宝を目の当たりにした…それはお金で手に入れる事が出来ないモノ。
ピースを通して、何か大きな力に私は人生の節目に学ばせて貰っている気がする。
年老いる前の私に、何かを伝えている気がするのだ。老後とは、上り坂ではない人生上を見上げやる気があれば多少、楽に登る者やつまずきなかなか登れない者もあるだろうが、少しずつでも登る事は出来る。
しかし年老いると登り坂はない。
下る事しか出来ないのだ。やる気だけでは老いには逆らえない。
否応なく、誰にでも訪れる平等な死…。
死に年齢は、関係ない。確かにそうだ、だか、若い頃には感じない死の翼が、年老いてくると
近くに感じてくるのだ。