依存の空




奏は何も言わずに私を見つめる。




小さな幸せとか、ふとした瞬間の喜びに怯えている私を、彼は知っている。




彼もまた、同じものに怯えている。




忘れ、られない。




それでもいいと奏は言ってくれたけれど。




だけど、ズルくて弱い私じゃいつか奏を裏切ってしまう。






あぁ、あなたが、遠くなる。



トオル。



私は、満たされることが怖いんだ。




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