依存の空



「昨日、遅かったね」


小さなテーブルに二人で向かい合って朝ごはんを食べる。


「…残業。久しぶりで、疲れた」


少ない言葉でゆっくりとした話し方が奏の特徴で、言葉だけだとそっけないような、その癖しっかり視線を合わせて微笑むもんだからこの人のそういうところ、好きだなーなんて思ってしまう。


奏はいつも定時には仕事を終えて真っ直ぐ家へと帰ってくる。


きっと私のためなんだと思う。


「行ってきます」


「ん」


玄関を出る前に奏の頬に軽くキスをする。


奏と一緒に住み始めたあの日から欠かさず続いている日課なのだ。



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