依存の空




「ねえねえ!昨日のイケメン誰っ?」


興奮したように尋ねてきたのは昨日一緒に帰る約束をしていた友達の一人、早苗。


「すっごいかっこよかったんだけど!
もしかして…彼方の彼氏?!」


身を乗り出してキラキラした瞳で見つめられて、戸惑う。


彼氏?奏が?


しばらくピンとこなくて考えてしまう。


答えなんて決まってるのに。



「……奏は、私の」



「はよー」


言葉を発しようとした矢先、突然後ろから声が聞こえた。


「あっ、柊くん…」


「おはよ、雨宮」


「おはよう」



今年初めて同じクラスになった柊くんはどうやら近所に住んでいるらしく、何度かすれ違ったとがあるけれど何となく


柊くんが席に着いたと同時にチャイムが鳴り、いつものようにHRが始まった。







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