そんな彼女に惹かれて・・・。
TRR・・・。

え?もしかして・・直樹?


愛海は一瞬携帯を見るとデイスプレイには、直樹の名前が出ていた。

マ、マジで!?

出ようかどうしようか迷っていたけど、愛海はドキドキしながら電話に出た。


「は、はい。もしもし・・・。」

「あ、松田だけど・・・。田中さんだよな?電話くれたよね?ごめんな、ちょっと手が放せなくてさ・・。どうした?何かあったか?」

「え?あ、ううん。何でも・・・。」

何でこんなこと言うんだあたしは・・・・。

言いたい事があるんでしょ?


直樹に会いたいって言えば良いんだよ・・。


「田中?どうしたんだよ?」

「あ、あのね!!今日、良かったら会えないかな?」

「え?・・・俺と?」

「う、うん・・・。べ、別に直樹じゃなくても良いんだけど、ていうか雑貨とか買いに行くからそのついでなんだけど・・・。もし、嫌なら良いから・・・。」

あー・・・。あたしかなり頭がパニくってるよ・・。


「俺で良いの?」

「あ、う、うん。でも、無理しなくていいよ。由梨とデートだったら邪魔しないからさ・・。」

「いや、そういうわけじゃないけど・・・。お前さ、物好きだよな?俺の事嫌ってたのにさ(笑)」

「そ、そんなことないよ!!」

だって、好きなんだもん・・・・。

そんな言葉さえ言えないから困ってるんじゃん・・・。

「じゃあ、俺で良ければ付き合うよ。その代わり俺の買い物も付き合えよ。良いか?」

「えー?直樹のも?」

「当たり前だろ?ていうかお前が俺を誘ったんだから当然だろ?」

「分かった・・・。ちゃんと付き合いますよ。」

「よし!じゃあ、3時位に渋谷辺りで良いか?」

「うん、分かった。着いたら連絡して。」

「いいよ、じゃあ後でな。」

「うん、後でね・・・。」


ピッ・・・・。


携帯を切って胸の鼓動が鳴り続けていた愛海。


それでも直樹の言葉が嬉しくて愛海は、出かける準備を始めた・・・。

今日だけでも良いから素敵な1日を過ごしたいと思っていたのだった・・・。
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