そんな彼女に惹かれて・・・。
「10日だってさ、どうすんの?」

「勿論、あたしが買うから。直樹は、他のにして!」

「おい!マジかよ・・・。仕方ねえなあ・・。」

「そんなに欲しいの?」

「ああ、まあでも良いけどお前が欲しいなら譲るよ。」

「え、良いの?」

「だって欲しいんだろ?」

「そうだけどさ・・・。」

愛海は、しゃもじを武器に色々考えた。最後の賭けとして言い出した言葉は・・・。

「じゃあさ、しゃもじは、譲る。その代り、あたしとちゃんと付き合ってくれないかな?」

「はい?・・・愛海、お前自分が言ってる事分かってんのか?」

「分かってるよ。てか本気だから。嘘だったらこんな事言わない!ちゃんと考えて欲しい。」

「愛海・・・・。」

愛海の真剣な目が直樹の心を動かした。

店の中でこんな事言われると思ってもなかった。

この日の愛海はいつになく真剣だった・・・。
< 38 / 47 >

この作品をシェア

pagetop