そんな彼女に惹かれて・・・。
愛海は、彼の胸倉を掴んだ。

「ハッキリ言っとくけど、あたしは東京生まれじゃなく広島じゃけん!それになあ東京でこんな最低な男見たの初めてだわ!もう少し人へ

の礼儀とかないわけ?今度そんな事言ったら後が済まないよ?
良い?分かった?」

愛海は、彼を睨み付けていた。

彼は、さすがに驚いたらしい・・・。

「・・・分かったよ。悪かった・・。俺は、直樹。君は?」

「・・・愛海。それが何か?」

「愛海さん、離してくれないかな?」

「反省したら離す。」

「・・・しました。(・・;)」

「あ、そう!」

愛海は、直樹の胸倉から手を離した。

女の子にしてはあまりにも潔いと言うか何と言うか、こんなに衝撃を受けたのは初めての直樹だった。

「ほら、行けば?時間無いんでしょ?」

「ああ、ありがとう。ホントごめん・・。」

「もう良いから。別にあなたに2度と会うわけじゃないし・・・。じゃ、お元気で・・。」

すると・・・。

「あのさ!君、この辺に勤めてるの?」

「は?何でそんな事聞くの?関係ないでしょ?」

「いや、そうだけど・・・。」

「だったら良いでしょ?ほっといて。」

愛海は、そう言いながら直樹の前から去っていった。

直樹も急いでたせいかあんな言い方をするつもりはなかったと反省していた。

ただ、彼は、愛海の勢いに思い切り衝撃を受けていた。
凄くショックなはずなのに真実の事が気になりだしていた。

そもそも愛海の方がショックを受けていた。

一目惚れをする瞬間にあんな言い方された・・・。

愛海の中での直樹の印象はボロボロ・・・。

何でこんなになるのかと不思議に思っていた真実。

思いがけない出来事でかなり疲れてた真実だった。
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