君に会える、木曜15時30分




「痛い、痛い!!

ていうか、奈良ってそんなに山城さんのこと好きなの?」


そう聞いた途端

「はぁ~~~~~~~???」



と大袈裟に叫んで、はぁ、と呆れた顔をした。



「奏ちゃんのボケボケ!!!!

お前、山城さんのこと可愛いって言ってただろ?奏ちゃんがそんなこと言うの初めて聞いたから覚えてるんだぞ!!!チャンスだ!ここでいかなきゃ男じゃないぞ。」


朝からすげーテンション。

俺、低血圧だからつらい。


というか、そもそも

「勘違いしてない?

俺、山城さんのこと可愛いなんて言った記憶ないんだけど。」


そもそも顔を覚えていない。




「はぁ~~~~~???」

さっきのように大袈裟なリアクション。



「言ってただろ!

一年の秋、俺と一緒に中庭のベンチに座りながら、可愛い子探しした時だよ!」



あぁ、無理矢理そんなこともさせられたな。
大学生ライフを楽しむためとか言って。



「その時お前が唯一自分から可愛いって言ったのが山城さんだったじゃんか!!」



うーんとその時の状況を思い出してみるけど、あんまり覚えていない。




「だからよぉ、お前に協力しようと合コンセッティングしたぜ!!!!」



行動早いな!!マイペースな俺にその行動力を分けて欲しい。



でも、

「俺、行かないよ?合コンとか怖い思い出しかないし、まず彼女いらないし。」



「はぁ、モテる男は違うね。

うん。奏ちゃんは、子犬みたいで可愛いくて癒されるから、世の女性もその癒しを求めて来るんだよな。

だからな、来ないとダメだぞ?お前が来るから女の子が集まったんだ。俺だけじゃ集まらないんだよ……シクシク」



「可愛いとかキモいこというなよ。それと奏ちゃんっていうのも止めろ。」



「奏ちゃん……!!
俺のキラキラ大学生ライフは、お前にかかっているんだ!!!

頼む!来てくれ!!俺も山城さんにお近付きになりたいんだ!!!」


熱い男だよ、奈良くん。負けた。


「結局、奈良が山城さん目当てなんじゃん!!
まぁ、行くくらいならいいよ。でも何もしゃべんないからね?」




「うん!!!!!!奏ちゃん大好き!!!!!」



「だから、奏ちゃんって止めろ。それにキモイよ。」


「じゃあ、今日の19時に駅前の居酒屋前な!!!」


今日?!行動力ありすぎだよ、奈良。





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