君に会える、木曜15時30分
授業もすっかり終わり、約束まで少し時間があったからレポートを進めた。
そして19時前に奈良たちと合流した。
「奏太~おつかれ!ちゃんと来てくれたんだな!感心!!」
「…………」
やけに上機嫌な奈良に少し嫌気がさしたが、そんなこんなで皆集まり、合コンというものが始まった。
奈良を中心に盛り上がる席。
俺は端っこでウーロンハイを飲みながらその光景を見ていた。
あ~こういうのってやっぱり苦手。
「奏太くんだよね?何飲んでるの?」
と、俺が飲んでいるグラスを指差す。
「ウーロンハイだけど。」
「え~私、ウーロンハイ飲んだことないんだけど、少し飲ませて?」
「もう少ししかないから飲んじゃっていいよ。」
同じグラスで飲むの嫌だろうし。
「…あはは!うん。ありがとー!
ところで。奏太くん、私のこと知ってる?」
ウーロンハイを飲み、あ、おいしーと呟き俺を見る。
「山城さんでしょ?」
「よかったー知っててくれたんだ!!嬉しい!!」
さっき、店に入ってから、奈良が教えてくれたんだけどね。
「私、ずっと奏太くんってどんな人なんだろうって気になってたんだぁ~!
話せて良かった!思ってたとおり優しいね!!その様子だと、今日は仁(ヒトシ)くんに無理矢理誘われたんでしょー?」
と笑っていう。仁くん……?あぁ、奈良の下の名前だ。奈良のこと仁くんなんて呼ぶ人いたんだ。
変なとこに関心してしまった。
「まぁ、そんな感じかな!!」
なんかこの人、奈良みたい。俺がしゃべらなくてもしゃべってくれる。