君に会える、木曜15時30分




次の日、学校に行くと、奈良に会った。


「奏太、昨日はありがとな!!」


「俺、ただ居ただけだし!!奈良はどうだったの?」


「おぅ!!さくらちゃん!!」


「…あれ?山城さんじゃないんだ?」



「あぁ、美紀ちゃんは無理だわ。

あれはどう考えても、お前狙い!!気づかなかったか?すげーアピールしてたけど。」



「え?俺、狙われてるの?」


ライオンに狙われるシマウマになった気分。



「てかアドレス聞かれなかったん?」


「うん?勝手な奈良の思い込みじゃない?」



「奏太くーーん!!仁くーん!!!」



遠くから声がして、振り返ってみると、山城さんだった。
噂をしたら何とか、ってやつだね。



「こんにちは!昨日は楽しかったねー!」



「なーまた集まれたらいいな!そのときは、さくらちゃんも呼んでよ?」


「もちろん!協力するからなんでも言って!」


楽しそうに話す二人。この二人が付き合えばいいのに。



「でね!奏太くんのアドレス聞いてなかったよね?教えて~??」



いきなり俺の方を向き山城さんが言った。


「え、でも俺、メールとかしないんだけど?」


「そうなの?なんか奏太くんっぽいね!それでも知りたい!!」



俺っぽいとはよくわかんないけど、


「じゃあ、はい…」


と携帯の画面を見せる。


「ありがとー!登録はしてね~!あ、講義始まっちゃう!!バイバーイ」




嵐のように去って行った。



「な!!俺の思い込みじゃなかっただろ?」


と自慢げにいう奈良。



「俺、奈良の言うとおり、狙われてるってこと?」



「明らかそうだろうな。

奏太は、あんなに可愛い子に迫られても嬉しくないんだ?」



「うーん。よくわかんない。」


「本当お前ってポワポワしてるよな!ド天然!タイプとかあんの?」


ポワポワってなんだ?

奈良のくせに可愛らしい言葉使いやがって。



「タイプ…、考えたことないね。

でもあんな感じの人は好きかも。」



ベンチにすわり、本を読んでいる人。


なんか綺麗。そんな印象。



「へーああいう綺麗クール系かぁ。意外だな!
あれ四年生かな?うーん…年上も悪くないな!でも俺は綺麗系より可愛い系かな~」



誰も聞いていないことを長々としゃべりだした。少し放っておこう!




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