ジュリエットなんて呼ばないで
ジュリエット
地球は元々、水の星だったのよ。全てが海だったの。
人間なんて魚類だったらしいわ。
でもいつしか陸ができて、人間は地上に住む生物となってしまったの。
私達人魚は、人間が地上の生物に進化する過程で止まってしまった。
だからこういう体なの。
「それでね、海底の奥深くには私の故郷があるんだよ!」
「……ん?あぁ」
絶対聞いてなかったよコイツ。
もうすでにわかっているとは思うけど、私は人魚姫。
未知の生物とか、妖精とかじゃないよ。
ちゃんとした生き物なんだから。
ただ、哺乳類と魚類が混ざってるけどね……。
ソコは仕方ないよ!
だって進化する過程で止まっちゃったんだもん!
「てか、アンタも驚きなさいよ。私人魚よ」
私は魚類である半身を海に浸し、大きな岩から顔をだした。
さっきから話しかけている男は相変わらず本を読んでいる。私には興味ないようだ。
ていうか、普通人魚がいたら驚かない?
でもこいつは私を見ても驚くどころか、
『読書の邪魔すんな』
とか言いやがったの!
もうホント意味わかんない!
いつもここで本読んでるらしいけど、一人なのかな?
友達いないとか?
まあこんな無愛想なやつと友達になんかなりたくないわよね。
「……なに人の顔見て笑ってんだよ、きも」
「テメェ、海に引きずり込むぞ」
「こわっ」
ハッ!
いかんいかん、つい本性が出てしまった。
落ち着け、私。大人になるのよ。
「……名前なんて言うの?」
まずは名前聞いておこうと思い、私は全力の笑顔で問いかけてみた。
「名前聞くなら自分から答えろよ、バカ女」
「…………」
やばい、超殴りてぇ。
「……そ、そうだね。それが礼儀だよね」
今私すごい頑張ったと思う。すごい我慢できたと思う。よくやったよ、私。
「ジュリエット。ジュリエット・ハーデスっていうの」
私が名を名乗ると、男は目を大きく見開いた。
え、なに、私変なこと言った?
すると男は何やら嬉しそうに、隣に置いてあった鞄を漁りだした。
「あ、ほらこれ」
私は渡された本を手に取った。
「濡らすなよ」
「人魚にそれ言うな」
一応私は気を付けて本を開いた。
その本には、
「……ジュリエット?」
私と同じ名前があった。
人間なんて魚類だったらしいわ。
でもいつしか陸ができて、人間は地上に住む生物となってしまったの。
私達人魚は、人間が地上の生物に進化する過程で止まってしまった。
だからこういう体なの。
「それでね、海底の奥深くには私の故郷があるんだよ!」
「……ん?あぁ」
絶対聞いてなかったよコイツ。
もうすでにわかっているとは思うけど、私は人魚姫。
未知の生物とか、妖精とかじゃないよ。
ちゃんとした生き物なんだから。
ただ、哺乳類と魚類が混ざってるけどね……。
ソコは仕方ないよ!
だって進化する過程で止まっちゃったんだもん!
「てか、アンタも驚きなさいよ。私人魚よ」
私は魚類である半身を海に浸し、大きな岩から顔をだした。
さっきから話しかけている男は相変わらず本を読んでいる。私には興味ないようだ。
ていうか、普通人魚がいたら驚かない?
でもこいつは私を見ても驚くどころか、
『読書の邪魔すんな』
とか言いやがったの!
もうホント意味わかんない!
いつもここで本読んでるらしいけど、一人なのかな?
友達いないとか?
まあこんな無愛想なやつと友達になんかなりたくないわよね。
「……なに人の顔見て笑ってんだよ、きも」
「テメェ、海に引きずり込むぞ」
「こわっ」
ハッ!
いかんいかん、つい本性が出てしまった。
落ち着け、私。大人になるのよ。
「……名前なんて言うの?」
まずは名前聞いておこうと思い、私は全力の笑顔で問いかけてみた。
「名前聞くなら自分から答えろよ、バカ女」
「…………」
やばい、超殴りてぇ。
「……そ、そうだね。それが礼儀だよね」
今私すごい頑張ったと思う。すごい我慢できたと思う。よくやったよ、私。
「ジュリエット。ジュリエット・ハーデスっていうの」
私が名を名乗ると、男は目を大きく見開いた。
え、なに、私変なこと言った?
すると男は何やら嬉しそうに、隣に置いてあった鞄を漁りだした。
「あ、ほらこれ」
私は渡された本を手に取った。
「濡らすなよ」
「人魚にそれ言うな」
一応私は気を付けて本を開いた。
その本には、
「……ジュリエット?」
私と同じ名前があった。