恋 の 欠 片
学活の時間はあっさりと終わってしまった。
みんな結構積極的だから早くおわったんだ。
「ひなたー」
由菜だ。さっきは落ち込んでいたみたいだったけど今は大丈夫みたい。
由菜は笑顔が一番だね。
「どうしたの?」
「近くの喫茶店寄ってから帰ろっ!」
「うん!いいねー。楽しみ☆」
チャイムの音と同時に担任が入ってくる。
「帰りのHR始めまーす」
ホームルームの時間もハルの事ばっかり考えてた。
というか、
頭の中からハルが出ていかない。
頭の中のハルはいつもの可愛い笑顔だ。
ああ、もう!!
集中出来ない!
そうだ、こういう事は由菜に相談しよう。
今日で頭の中のハルにさよならしよう。
それまでの辛抱だ。
頑張ろう。
窓を見るとやっぱり春風は頭の上を通り過ぎていった。
春風には触れない。
触らせてもくれない。
いじわるだ。