恋 の 欠 片


席に行こうとして通路を横切っていくと後ろから殺気を感じた。

怖くなって振り返ると女の子が私を睨んでいた。

二年生っぽい。

ロングヘアをハーフアップしていていかにもお嬢様って感じ。

顔は上品に整っている。

でも、釣り目気味の目が怖い。  

足でも踏んだのかなと思って謝っておいた。

けど、女の子は罰が悪そうに私のことを睨み続けていた。


会議は順調に終わった。

次の会議までに出し物を考えてこないといけないみたい。

ハルは何やりたいのかな。

そう思っていた時。

ハーフアップの女が通り過ぎ様に私の耳元でこう囁いた。





「ユウだけは渡さない」






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