恋 の 欠 片


*会議室前にて

田代は鏡明日香にこう言った。

「花沢ひなたは冷静だ」

明日香はハーフアップにした髪の毛をさわりながら田代を見た。

釣り目気味の目が怖い。

「今度は何をするつもりなの?」

「どうしたらいいだろうか」

明日香は少し笑ってから声をうんと低くしていった。

「あの女・・・殺してやる」



田代は去っていった。

明日香はうなだれてしまった。

私の方が祐の事を好きなのに。

何で祐は気づかないの?

花沢ひなた、花沢ひなたってうるさい。

前は私だけを見ていてくれたのに。

何であんな女を。

あの女さえいなければ、私は幸せなのに。

殺してやる、







絶対に。
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