恋 の 欠 片
二学期。
周りはまだ夏休みムードになっている。
夏休みは無事に終わった。
もう、田代からは呼び出しもない。
クラスの田代ファンの子たちも忘れているみたい。
良かった。
二学期は文化祭。
文化祭だけに集中しよう。
文化祭まであと一週間なので毎日のように委員会があって出し物の準備があまり出来ない。
委員会が終わったらすぐに教室に戻ってクラスメイトと準備に明け暮れた。
毎日、毎日準備した。
「ひなた」
横から声をかけられた。
「あっ、ハル」
「ちょっと来て」
ハルに手を引かれて教室から出ていく。
ハルがスタスタと言ってしまうから小走りになってしまう。
多目的室の前でハルは止まった。
「返事、もう待てない。はいかいいえで答えて」
やっぱり。
そうくると思った。
正直に。