恋 の 欠 片
女はナイフに笑った。
そして私を見た。
「ふふふ、もうこれで終わりよ」
「やだ!いやあああああああ!誰か助けて!」
無我夢中で叫んだ。
でも、ここは裏階段。
人っ子一人いない。
視聴覚室まではあと少しだけど、そこまで声は届かない。
「うるせぇな」
また頬を殴られた。
痛くてその場に倒れ込む。
女は無理矢理私を立たせる。
「もう我慢できないわ」
そういうと女はナイフを高くあげた。
「あはははははははははははははははははははははは!」