ようこそ片思い恋愛相談所へ!
本屋のガラス戸が勢いよく開く

「先生は?」

珍しく息を切らせ高砂さんが入ってきた

「あ、あの二階かと…」

言い終わる前にズカズカと二階へ上がる高砂さん

「な、何事なの?」

暫く経ってからまた高砂さん一人が降りてきた

瑞季さんはまだ二階にいるようだ

高砂さんは私を見ると

「先生の所にいってあげて」

「で、でも…」

ここに来て半年以上経っていたけれど

一度も二階へ上がった事がなかった

「大丈夫。そして今のあなたの気持ちを彼に伝えてあげて欲しい」

「えっ…?」

「彼は『雪待月』をあなたに捧げる為に書いた。そして小説家神戸美月を終わらせる為にも」

「どう言う事ですか?」
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