Crazy×Crazy
街の灯りが溢れ綺麗に辺りを包みこむ夜。
そんな景色を街の高台から皮肉そうに笑う少年が1人―――と、細長い黒翼を持つ黒猫が隣にいた。
「今回はしくじんなよ?
――なんて言ってもお前またやらかしそうだよな」
黒猫が下から睨みつけるように嫌々そうに少年に言った。
少年はそんな黒猫にため息をつきながら困ったように笑い、目線を黒猫に近付けるためにしゃがむ。
「毎回嫌そうに言うなよな。………まあ、ごめんな?」
最後はへらっと笑いながら、だけどもどこかつらそうに黒猫の頭を優しく撫でる。
「………お前は毎回そうだ。」
黒猫はふん、とそっぽを向いた。
そんな様子を見て少年はほのかに笑った。