99%の嘘です。
ぷっちん、ぷりん

甘味



暑い熱い夏。

汗が滴るのをただ見ていた。

こんびにえんすすとあで。


「咲楽(さくら)ー、アイス早くきめて」

「あ、ごめん。それ」

指を指して、夏目舞花に教えた。

クリームチーズのアイス。

でも、視線はこの涼しい天国の外。

長い色っぽい髪を振り乱して
女は男になにかを哀願してる。

女は宮之学園の教師。

大丈夫かな、なんて心にもないことを思ってみたり。

全国模試、全国一斉に行われる模試。

その模試で上位1200名だけが宮野学園に入学できる。

宮野学園に入試制度なんかなく、拒否権もない。

上位に入ると絶対に入らなければならない。

全国から集まるので、寮生活。

宮野学園付近に住んでる生徒は選べる。
そんな生徒がちらほら。

なので、敷地がやたらに広い。

まぁ、広くても生徒は何人かいるので
好奇の目でみてる生徒が2、3人。

「咲楽、早く帰ろうって、あー」

舞花は気付いたようで、ため息をついた。

――――――夏目奏(そう)

舞花の兄で、私の彼氏。

ふわりとした焦げ茶の髪の毛。

しゅっとした目。

薄い唇。

所謂、美形。






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